先日、新聞の悩み相談欄で
教え子の女生徒に欲情してしまうという妻子持ちの男性高校教諭に対し
「破綻なく一生を終える人は
せっかく人間に生まれてきながら
人生の本当の味わいを知らずに終わってしまう…
女生徒と出来てしまえばそれでよいのです
そうすると、はじめて人間の生とは何かということが見え
この世の本当の姿が見えるのです」
といっていた車谷長吉氏の回答同様、
「世の中に明るく朗らかな小説だけしかなくなったら、
それは絶望に似ているのではないか…
光というものは混沌の先にあると、僕自身は思っている」
と述べる著者の視座に触れて、たいへん元気勇気が湧いてきました
表面的には決して明るく前向きとは思われない、ともすれば憂鬱が増すだけに思われる世界観を、堂々と“前向きに”世間に向けて発表してくれる作家たちの存在に、私たちの精神がどれほど救われるか知れません
およそ“真実”は世間が忌避するものの中に、人目につかぬようしまわれているのだと思います
中村文則氏も車谷長吉氏も、人間界の秘宝を奪取しようと、鬼の寝床に命懸けで斬り込む勇者のようです
惚れ惚れしてしまいます
ちっとも清清しくない短編集です
「ゴミ屋敷」は腹を抱えました ゲラゲラ声をたてながら読みました 捻りのきいた笑いが好きな方におすすめします
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